
こんにちは。今回は前回の太陽光発電の効果に続き、蓄電池の劣化率なども考慮した電気代の検証をしたいと思います。

たしかにアパート時代と比べても凄く光熱費が浮いたのは実感できたけど、これが永遠に続く訳じゃないもんね。劣化したり修繕したり…考えると頭が痛くなりそう…

自分達も一条工務店で建てる時に営業さんから太陽光発電・蓄電池のシミュレーションは受けて納得はしたけど、実際に住み始めてからの数字からも算出して確認しておきたいよね。

それじゃあ、浮かれないようになるべく厳しめに見て行こう!
蓄電池の保証期間と劣化率
まずは蓄電池の劣化率から計算します。一条工務店の蓄電池の寿命は12000サイクルとされ、1日1サイクル(満充電から0%までの放電で1サイクル)の使用ペースだと、理論上は32年も使用することができる事になります。
とは言え、熱や経年劣化もあるため、実際には一条工務店の保証期間15年をベースに計算したいと思います。
この15年保証は蓄電池の充電容量が最大値から60%を切らないことを保証しています。つまり、15年間で60%程度までは劣化しても想定の範囲内という事ですので、1年に3%程度電池容量が減っていく可能性が考えられます。
一般的な蓄電池の劣化率は5~10%と言われているため、この蓄電池の耐久性は相当良いものと言えるでしょう。
劣化率を考慮した売電収入と自家消費
次に、売電収入と自家消費で浮いた電気代に劣化率を掛け、長期運用した時の収益効果を確認していきます。
前提条件として、太陽光パネルの発電効率は年2%、蓄電池の容量は年3%の劣化で計算していきます。さらに、自家消費の節約費用は太陽光の発電効率2%と蓄電池の3%を合わせた年5%の効率劣化として計算します。
発電した電気を交流に変換して自宅で利用できるようにするパワコン(パワーコンディショナー)は10~15年で交換、費用は20~40万円と言われています。
今回の計算では10年目で40万円、20年目で物価上昇を加味した60万円と厳しめに見積もっておきます。
それでは表を確認してみましょう。
この表では、まず9年経過したタイミングで太陽光発電パネル・蓄電池の設置費用である250万円を回収できます。
そして10年経過したタイミングでパワコンの交換40万円が発生し、累計の支出費用290万円には少し及ばない数値となりました。
しかし、それ以降は投資費用を回収し切り、20年目には2度目のパワコン交換60万円を加えて累計支出350万円となりますが、売電収入と節約費用の合計額は436万円となり、70万円の投資効果を生みました。
今回の試算は売電収入・自家消費の節約・設備の劣化率で厳しめの想定で計算をしましたが、それでも設置費用を回収し長期的には収益を生む結果となりました。
試算の結果からも分かるように、一条工務店で家を建てる場合には太陽光発電・蓄電池の設備はオススメです。しかし、豪雪地域で太陽光パネルが雪に埋もれてしまう、晴れの日が少ない場合には設置費用の回収は難しいでしょう。
また、一条工務店以外のハウスメーカーの場合、そもそもの設置費用が1.5倍から2倍近い価格になったりするため、こちらもあまりオススメはできません。
おわりに:投資回収以外の効果
今回の試算ではあくまで太陽光発電・蓄電池の設置費用と回収金額だけの比較をしました。
我が家では更にオール電化という選択をしているため、ガス代が掛からないという収益効果が発生しています。
アパート時代は都市ガスでしたが、年間で7万円ほど掛かっていたガス代が0円になるので地味に大きい節約効果です。
太陽光発電や蓄電池は全館床暖房を気兼ねなく利用するための設備という立ち位置で営業を受けることが多いのですが、エアコンの使用時期を長くして床暖房の利用期間を短くしたりすれば更に収益は大きくなることが見込めます。
しかし、売電収入の低下と電気料金の高騰が続く現在では電気を使用せずに売るより、発電した電気を自家消費した方が収益効果は高いことが一目瞭然です。
今後も電気代が高くなると考えるのであれば、発電した1kwhの電気を15、6円で売るより、35~40円で買わなくて済むという自家消費を念頭に置いた太陽光発電の設置も視野に入れるのもアリだと思います。
今回の記事が家づくりのオプション検討材料になれば幸いです。
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